「プログラミングを始めたい!」そんな方に、今回から日本語プログラミング言語である「プロデル」を使った、初心者のためのプログラミング入門の記事を連載で書きたいと思います。
プログラミングを覚えようと思ってプロデルを見つけた方に、プロデルの使い方を知って頂き、それと同時に日本語プログラミング言語やプロデルの雰囲気も知ってもらえたら嬉しいです。
プログラミングとは
「プログラミング」とは、「コンピュータに指示するためのプログラムを作ること」です。「プログラム」とは、コンピュータにさせたい事を順番に書いた指示文のことです。
PCやスマホはもちろん、ゲーム機, 炊飯器, 車など多くの物にコンピュータが埋め込まれています。コンピュータは、プログラムが無ければ、スイッチを入れたとしても何も働いてくれません。プログラムはコンピュータに欠かせない存在です。それを作る作業が「プログラミング」です。
日本語プログラミング言語「プロデル」とは
今のコンピュータは、0と1の組み合わせで表現された機械の信号(機械語)で指示して動かします。しかし機械語は、機械にとっては分かりやすいですが、人間が指示を書くには、たくさんの専門知識が必要で、とても難しい作業です。
そこで、人間に分かりやすい表記で指示を書けるようにしたものが「プログラミング言語」です。プログラミング言語は、人間が理解できる表記の指示文から機械語へ翻訳する時に使うコンピュータのための言葉です。プログラミング言語には、C言語やPython, JavaScript, Rubyなど、たくさん種類がありますが、これらのプログラミング言語は英単語や記号を組み合わせてプログラムを書いていきます。
「プロデル」は、日本語を使ってプログラムを書けるプログラミング言語です。普段日本語を使って生活している私たちなら、日本語でプログラムを書くことができれば、より分かりやすくコンピュータへ指示を書けます。プロデルは「日本語を使ってプログラムを書きたい。」そんな思いから10年前に生まれました。プロデルもプログラミング言語のひとつです。
プロデルを使ってみよう
それではプロデルを使ってみましょう。プロデルは、公式サイトから無料でダウンロードできます。プロデルはWindows PC用に作られています。macやAndroidスマホやタブレットでは、Webブラウザ用の「スミレ畑」で基本的なプログラムを実行することができます。
Windows PCならインストールは簡単です。インストーラ版をダウンロードして、そのファイルを開き、メッセージを順番に読み進めれば、最後に「プロデルデザイナ」というアプリ画面が表示されます。
Hello, world!
準備が整ったら、早速プログラミングしてみましょう!
プロデルデザイナを起動すると、Wordやメモ帳のような白い大きなテキストエリアが表示されています。ここに、これからプログラムを書いていきます。
では、次のように入力してみましょう。
「こんにちは」と表示する
プログラムを書いたら、実行してみます。
実行するには、実行ボタンをクリックします。またはキーボードの[F5]キーを押します。
「こんにちは」と表示されたら成功です!
あなたが指示した事をコンピュータが理解して実行してくれました。
これであなたもプログラマです。
色んな指示を出してみましょう。
今書いたプログラムの「こんにちは」の部分に、あなたの名前を書き加えて実行するとどうなりますか?
「太郎さん、こんにちは」と表示する
あなたの名前が表示されましたか?
プログラムには「決まり事」がある
プロデルデザイナのテキストエリアにプログラムを書いて実行すると、その通りに実行してくれることが分かったと思います。
では次のような文章を入れると、どうなるでしょう?
こんにちはと言ってください
文章の所々がピンク色となってしまい、実行すると次のようなエラーメッセージが表示されました。
プログラムが解釈できませんでした
こんにちはと言ってください
これは、「あなたの書いたプログラムの意味が理解できなかったです」というプロデルからのメッセージです。丁寧にお願いしたのに何故でしょう…
それは、この文章が「プログラミングの決まり事」を守っていなかったからです。もしあなたがコンピュータなら理解してくれるかもしれませんが、プログラミングの決まり事を守っていなければ、人間が理解できる日本語であっても、プロデルは理解してくれません。
なぜプロデルは理解できなかったのでしょうか。実はプロデルには次のような決まり事があります。
- メッセージは、カギ括弧(「 」)で囲って書かないといけない
- 画面にメッセージを表示するためには『表示する』という動詞を使わないといけない
このような決まり事を「構文規則」と言います。プロデルにはたくさんの構文規則がありますので、プロデルの構文規則を守って日本語のプログラムを書いていきましょう。このシリーズで少しずつ構文をご紹介していきます。
コンピュータに計算させる
今回は最後に、計算するプログラムを紹介したいと思います。
コンピュータ(computer)は、英語で「計算する(compute)もの」という意味ですから、計算することがコンピュータの一番得意とする仕事です。
プロデルなどの多くのプログラミング言語では、+-*/や()を使って、プログラムにそのまま計算式を書くことで計算してくれます。計算式は、小学生で勉強する四則演算の計算式と、同じ書き方です。
算数の授業とは違って、計算式を書けばあとはコンピュータが自動的に計算してくれます。人間は「何を計算させるか」を指示するだけです。
計算式を書いてみる
では、プロデルで計算式を書いて計算するプログラムを書いてみましょう。
プロデルデザイナのテキストエリアに次のように入れてみましょう。
1+1を報告する
実行ボタンをクリックしてみてください。
すると、2と表示されます。
プロデルでは『○○を報告する』と書くと、○○に書いた計算式を計算して答えを「調査ウィンドウ」に表示してくれます。
計算式で計算できる演算
プロデルでは、四則演算など次の演算が使えます。
記号 | 意味 |
---|---|
+ | 足し算 |
- | 引き算 |
*(×) | かけ算 |
/(÷) | わり算 |
^ | 累乗(べき乗) 例 4^2 → 42=16 10^10 → 1010=1000000000(1E+10) |
¥ | 整数の割り算の商(あまりを出すわり算) 例 10¥3 → 3 |
% | 整数の割り算の余り(剰余) 例 10%9 → 1 |
もう少し複雑な計算式をプログラムに書き足してみましょう。
(54*2.54)を報告する
同じように実行すると計算結果が表示されます。
「報告する」を使うことで、複数の計算結果を一度に出力させることができます。
まとめ
あっと言う間でしたが、「はじめてのプログラミング」は、どうでしたか?
自分で指示した通りにコンピュータが動いてくれる。それがプログラミングの楽しい所です。今後も、このブログでは、少しずつ色々なプログラムを作る方法をご紹介します。
また、日本語として自然に読み書きできる表記でプログラムを書ける、日本語プログラミング言語「プロデル」の良さを実感して貰えたら嬉しいです。
次回もお楽しみに。
※当ブログの記事の著作権はゆうとにあります。プロデルに関係が無い目的で、文章や図表,プログラムを複製, 改変, 移植して掲載することを堅く禁止します