平成最後にプロデルを振り返る

もうすぐ平成が終わります。

振り返ると、1999年に開発スタートしたTTSneoと今のプロデルと合わせて平成時代の半分以上を日本語プログラミング言語の開発に取り組んできました。

プロデルの開発を始めたのが2007年のことになります。「自然な日本語で記述できるプログラミング言語」というコンセプトで、それまで開発していたTTSneoの文法を整理、ランタイム実行の高速化を目指しました。

スタートして12年が過ぎましたが、その間に何度か大幅な改修をしてきました。折角ですので、少し整理してみたいと思います。


2007年頃プロデル開発途上版のリリース。.NET Framework 1.1 (C#)で新たに実装しました。当初からフォームデザイナを搭載した開発環境「プロデルエディタ」がありました。
2009年頃プロデル抽象構文木の採用。字句解析器と構文解析器を整理して、それと同時に文法に沿ったシンタックスハイライトを実現しました。
2010年頃形態素解析器の採用。分かち書きしないプログラム文を実現するために字句解析器の代わりとなる独自の形態素解析器を実装しました。これにより分かち書きを減らし、文法解釈を安定させることができました。
2011年頃 プロデルデザイナの入力補完機能の充実化。IMEと連携する日本語プログラミング言語に適した入力補完機能を実装しました。
2012年プロデルで作られたマルウェアが発見されたことが取り上げられる。現時点でも、大手IT系ニュースサイトでプロデルが取り上げられた唯一の記事(涙。
(これを受け、OSに関わる機能を制限する保護機能を実装し、保護を解除するには開発者キーが必要となる。なお現在はUACが有効な場合にキー不要で保護機能が緩和されます)
2013年頃フルコンパイラの実現。さらなる高速化を実現するために、MSILを生成するコンパイラに対応しました。今も完成度を高めるために平行して作っています。
2016年接続詞による複文の記述に対応しました。これによるメソッドチェーンの記述を実現しました。このことで冗長な記述を排除しつつより日本語らしい文法を実現しました。
2018年プロデルを.NET Coreへ移植した日本語プログラミング言語「スミレ」の公開。
2019年(予定)プロデル1.7をリリース。プロデルデザイナのUIを一新。

プロデルが輝く10のポイントでもそれぞれについて紹介していますので、よかったらそちらもご覧下さい。

その時々の改修ではプロデルを使って頂いている方々にご不便をお掛けしたかと思います。しかし、お陰様で最近は「自然な日本語で記述できるプログラミング言語」の理想に近づいて来た予感がしています。

次の時代には、理想の日本語プログラミング言語が出来上がる日が来るかと思います。ぜひお付き合い頂ければ幸いです。

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